14.1 Jupyter の使用

分析結果を共有するには, 基本的に jupyter notebook を使うのが手っ取り早いです. なぜなら, Python のソースコード (他の言語にも対応しています) を書き込んでそのまま実行できますし, Markdown を使って数式を書くことも可能だからです.

ただし, レポートと単なるソースコードの違いは, 「何をしたか」「なぜそれをしたか」「グラフから何を読み取れるか」などの考察を, メモでもいいので残しておくことです. また, notebook のソースコードもなるべく自己完結したものにする, それが難しい場合は, どこからデータを取ってきたかとか, どういうライブラリのインストールが必要かとか, 動作する環境の条件についてメモを残すなど, 結果を再現しやすいものを残すようにしてください.

さらに, 今回使うサーバには日本語に対応したレイアウトファイルを入れてあるため, PDF に変換すれば表示が環境に左右されないレポートを作成でき, 異なる環境からでも閲覧しやすくなります. しかしグラフィックデバイスによっては Python 側が対応していませんので, PDF で提出する場合は出力をよく確認してください.

そして, 本稿では何度も繰り返しになりますが, 限られた時間で成果物を出すには, あまり細部にこだわりすぎないことです. わかりやすさ, 他人への伝わりやすさは重要ですが, 資料のデザインにこだわり時間をかけすぎるのは本末転倒です.

現時点ではまだ開発中で不安定なところはありますが, Quarto というプログラム (https://quarto.org/) は, pandoc のように ipynb ファイルを pdf やスライドなど他の形式に変換するためのより使いやすいオプションを提供してくれます (インターン用環境にはインストール済みです). もし関心がある場合は, 以前私が個人的書いた記事 (https://ill-identified.hatenablog.com/entry/2021/10/02/161123) も参考になるかもしれません.